ヘイノ・カスキ(1885−1957) は、フィンランドの作曲家です。
       オルガニストの父を持ち、幼少の頃から音楽の手ほどきを受け、
       ヘルシンキ音楽学校で学び、作曲家メラルティンに師事。
       ベルリン国費留学などを経て、晩年まで音楽教師として生活します。
       シベリウスに評価されながらも、彼の生活は精神的にも経済的にも
       かなり苦しかったようです。
       しかし彼の70歳の誕生日にヘルシンキで彼のオーケストラ曲と
       歌曲の演奏会が行われ、満場の聴衆からカスキは暖かい拍手を
       受けます。
       カスキは最後までフィンランド人に愛され、 
       今も愛され続けている作曲家だそうです。

        このピアノ作品集はカスキの作品の中では唯一、
       CD・譜面ともに手に入りやすいようです。
       どこか懐かしくて、透明感があって、
       メロディがとても奇麗です。
       少し日本人の感覚に似たところがあるような感じがします。
       映像的で印象派の絵のような「森のほとりの妖精」と、
       メロディがちょっと切なくて奇麗な「夜の海辺にて」がとても好きです。



             舘野泉氏の演奏によるCD

          夜の海辺にて?カスキ:作品集

       



       舘野泉氏は、1936年生まれのピアニスト。
       1964年よりフィンランド在住、国立音楽院シベリウスアカデミーの
       教授を務められています。
       カスキをはじめ、北欧の音楽を演奏・録音・出版して
       世の中に広める活動に力を注いでいます。
       2002年1月、フィンランドでのコンサート中に脳出血で倒れ、
       右半身不随の後遺症が残ります。リハビリ生活ののち、
       2003年8月に、左手によるピアノ曲のコンサートで見事カムバック。
       現在も現役で活躍されています。
       


             譜面

          カスキ ピアノ小品集